AIを導入したい。でも何から始めればいいかわからない

「AIを使って、もっと仕事を効率化したい」

最近、お客様とお話ししていると、そんな声を聞く機会が増えてきました。

一方で、こんな声もあります。

「AIで何ができるのか、よくわからない」

「うちの会社なら、何から始めればいいの?」

「今の仕事のどこにAIを使えばいいの?」

実は、私たち自身も、お客様との会話を通じて大切なことに気づかされました。

今回は、私たちが考えてきたAI活用の仕組みと、お客様の声から見えてきた新しい方向性についてお話しします。

目次

私たちが考えた「司令塔AI」

私たちは、アパレル企業向けの販売管理システム「ATS」を開発しています。

日々、お客様の業務改善について考える中で、ある構想が生まれました。

それが「司令塔AI」です。

例えば、販売管理システムには、受注・発注・在庫・売上など、さまざまな情報が蓄積されています。

これらをAIが確認し、

  • この受注は納期に間に合わない可能性がある
  • この商品は在庫が余りそう
  • この得意先の売上が落ち始めている
  • この商品は追加生産を検討した方がよい

といった問題の兆候を見つけて、担当者に知らせてくれる。

さらに、問題を知らせるだけでなく、改善方法まで提案してくれる。

そんな仕組みを考えていました。

問題が大きくなってから気づくのではなく、問題になる前に気づける会社にしたい。

これが司令塔AIの出発点です。

お客様に話してみて気づいたこと

この構想を、実際に5社ほどのお客様にお話ししました。

ところが、反応は私たちが想像していたものとは少し違いました。

仕組みそのものには興味を持っていただけるものの、

「便利そうだけど、具体的に何から始めればいいの?」

「どんな情報をAIに見てもらえばいいの?」

という声がありました。

考えてみれば当然かもしれません。

日々の仕事に追われている担当者の方に、突然「AIで会社の問題を見つけましょう」と言っても、具体的なイメージを持つことは難しいのです。

そもそも、何が問題なのかわからないこと自体が、会社の問題なのかもしれません。

私たちは、AIの機能を考えることに少し意識が向きすぎていたのだと思います。

データはあるのに、活用できていない

もう一つ、気づいたことがあります。

私たちの販売管理システムATSには、以前から集計や分析を行う機能があります。

売上を得意先別に集計したり、商品別の実績を比較したり、さまざまな情報を確認できます。

しかし、これらの機能はある程度の操作知識が必要で、誰もが簡単に使いこなせるものではありませんでした。

つまり、情報は蓄積されているのに、それを日々の判断に十分活用できていないのです。

これは、システムを提供している私たち自身が改善すべき点でもあります。

まずは「見える化」から始めよう

そこで、私たちは考え方を少し変えることにしました。

いきなりAIに問題を探してもらうのではなく、まずは会社の状況を誰でも簡単に見られるようにする。

そのために注目しているのが「BIツール」です。

BIツールとは、システムに蓄積されたデータをグラフや一覧などでわかりやすく表示し、分析できる仕組みです。

例えば、画面を開くだけで、

  • 今月の売上は前年と比べてどうなのか
  • どの商品がよく売れているのか
  • どの店舗に在庫が偏っているのか
  • 納期が近いのに出荷できていない受注はないか

といった情報が直感的に確認できる。

専門的な集計操作を覚えなくても、担当者が自分で状況を把握できる。

そんな環境を最初の目標にしたいと考えています。

見えるようになると、新しい疑問が生まれる

例えば、売上のグラフを見ていて、ある商品の売上が急に落ちていることに気づいたとします。

すると、

「なぜ、この商品だけ売上が落ちたのだろう?」

という疑問が生まれます。

調べてみると、実は売れていないのではなく、売れ筋のサイズが欠品していたのかもしれません。

そこで次は、サイズ別の在庫状況も見たくなる。

さらに、欠品が発生する前に知らせてほしくなる。

このように、

見える化 → 気づき → 原因の確認 → 改善 → 自動監視

と、必要な機能が少しずつ明確になっていくのではないでしょうか。

最初から大きなAIシステムを作る必要はありません。

日々の仕事で本当に必要な情報を、一つずつ増やしていけばいいのです。

司令塔AIを諦めたわけではありません

私たちが目指している方向は変わっていません。

会社の中にある情報を活用して、問題を早く見つけ、改善につなげることです。

ただ、その入口を変えようと考えています。

まずは誰でも使える「見える化」。

そこから、お客様と一緒に必要な情報を増やしていく。

そして将来的には、AIが問題の兆候を自動で見つけ、改善方法を提案してくれる。

そんな形で、司令塔AIへと育てていきたいと考えています。

最後に

AIの活用というと、どうしても高度な技術や大きなシステムを想像しがちです。

でも、本当に大切なのは技術そのものではありません。

「今、会社で何が起きているのか」

それを誰もが理解できることが、業務改善の第一歩ではないでしょうか。

私たちも、お客様の声を聞きながら、より使いやすく、現場で役立つ仕組みを考え続けていきます。

次回は、販売管理システムにたくさんのデータが蓄積されているのに、なぜ現場で十分活用されていないのか、その理由をもう少し掘り下げてみたいと思います。


インネット株式会社|アパレル業務改善ラボ

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