欲しい情報がすぐ見える!BIツールで変わるアパレル企業の日常業務

毎朝、Excelの集計から仕事が始まっていませんか?
アパレル企業の営業担当者や商品管理担当者の方から、こんなお話を聞くことがあります。
「毎朝、販売管理システムから売上データを出しています」
「Excelに取り込んで、店舗別や商品別に集計しています」
「在庫も確認したいので、別のデータを出して突き合わせています」
必要な情報を確認するために、毎日同じような作業を繰り返している。
しかも、その作業が終わってから、ようやく本来の仕事が始まる。
これでは、データを確認すること自体が仕事になってしまいます。
本当に時間を使いたいのは、数字を集めることではなく、数字を見て次の行動を考えることではないでしょうか。
今回は、BIツールを使うことで日々の仕事がどう変わるのか、アパレル企業の業務を例に考えてみます。
BIツールとは、欲しい情報をすぐに見られる仕組み
BIとは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略です。
簡単に言えば、販売管理システムなどに蓄積されたデータを、グラフや一覧表でわかりやすく表示し、経営や業務の判断に役立てる仕組みです。
例えば、毎朝パソコンで画面を開くだけで、
- 昨日の売上と前年同日との比較
- 今月の売上予算に対する達成率
- 売上が伸びている商品と落ちている商品
- 店舗ごとの売上ランキング
- 在庫が不足している商品
といった情報を確認できるようにします。
これまで複数の帳票を出力し、Excelで加工していた情報が、一つの画面にまとまって表示される。
それだけでも、毎日の業務は大きく変わるはずです。
例えば、営業担当者の朝が変わる
営業担当者が朝一番に確認したい情報は何でしょうか。
まずは、自分の担当する得意先の売上状況かもしれません。
従来であれば、販売管理システムから売上実績を出力し、Excelで得意先別に集計して、前月や前年と比較する。
そんな作業を行っていたかもしれません。
BIツールがあれば、担当得意先の売上推移や前年との比較を、画面を開いてすぐに確認できるようにできます。
例えば、ある得意先の売上が前年より20%減っていたとします。
そこで得意先名を選択すると、商品別の売上が表示される。
さらに商品を選ぶと、カラー別・サイズ別の販売状況まで確認できる。
すると、
「この得意先は売上が落ちているけれど、特定商品のMサイズだけが不足しているのでは?」
といった疑問が生まれます。
その疑問をきっかけに、在庫状況を確認したり、得意先へ提案したりすることができます。
数字を集計する時間から、お客様への提案を考える時間へ。
これがBIツールの大きな価値の一つです。
商品管理担当者は、在庫の偏りに気づける
商品管理担当者にとって、在庫の確認は重要な仕事です。
しかし、在庫一覧を見ただけでは、どの商品が適正在庫で、どの商品が不足しているのか、すぐには判断できません。
例えば、次のような情報を一つの画面で見られたらどうでしょうか。
- 売れているのに在庫が少ない商品
- 販売ペースに対して在庫が多い商品
- 店舗によって在庫が偏っている商品
- 長期間動いていない商品
こうした情報を、色分けやグラフで確認できるようにします。
すると、今までは大量の一覧表の中に埋もれていた問題に気づきやすくなります。
もちろん、在庫が多いからすぐに問題というわけではありません。
これから販売が伸びる商品なのか、季節が終わりに近づいている商品なのかによっても判断は変わります。
大切なのは、担当者が確認すべき商品を見つけやすくすることです。
経営者が知りたい情報は、担当者とは違う
もう一つ重要なのは、立場によって知りたい情報が違うことです。
経営者であれば、会社全体の売上や粗利益、在庫金額などを確認したいでしょう。
営業担当者であれば、得意先別の売上や商品別の販売状況。
商品管理担当者であれば、在庫数や販売ペース、欠品状況。
生産管理担当者であれば、受注残や生産進捗、納期遅延の可能性。
それぞれ必要な情報は異なります。
すべての情報を一つの画面に詰め込んでしまうと、かえって使いにくくなります。
そこで、利用する人の役割に合わせて画面を用意することが大切になります。
経営者には経営者の画面。
営業担当者には営業担当者の画面。
商品管理担当者には商品管理担当者の画面。
必要な人に、必要な情報を、わかりやすく届ける。
これが私たちの考えるBIツールの活用方法です。
最初から完璧な画面を作る必要はない
ここで、一つ大切にしたいことがあります。
それは、最初からすべての情報を見えるようにしようとしないことです。
例えば、営業担当者から、
「毎朝、得意先別の売上を確認できるようにしたい」
という要望があったとします。
まずは、その画面を一つ作る。
実際に使っていただくと、
「前年との比較も見たい」
「商品別に掘り下げたい」
「在庫も一緒に確認したい」
と、新しい要望が出てくるかもしれません。
その要望を一つずつ追加していく。
そうすることで、現場で本当に役立つ仕組みに育てていくことができます。
私たちは、こうした進め方が大切だと考えています。
その先にあるのが、AIによる問題の発見
BIツールで必要な情報が見えるようになると、次の課題が出てきます。
それは、情報を確認するのは、まだ人間だということです。
例えば、売上が落ち始めている得意先があっても、担当者が画面を見なければ気づけません。
在庫が不足しそうな商品があっても、確認するタイミングによっては手遅れになるかもしれません。
そこで、次の段階としてAIの活用が考えられます。
「この得意先の売上が急に落ちています」
「この商品は、現在の販売ペースだと来週欠品する可能性があります」
「この受注は、現在の在庫と入荷予定では納期に間に合わないかもしれません」
といった問題の兆候を、システム側から知らせる仕組みです。
さらに、問題を知らせるだけでなく、改善方法の候補まで提案する。
これが、私たちの考えている「司令塔AI」につながっていきます。
ただし、最初からそこまで目指す必要はありません。
まずは見える化から始めて、必要な機能を少しずつ増やしていけばよいのです。
最後に
販売管理システムには、売上・仕入・在庫・受注・発注・生産など、多くの情報が蓄積されています。
これらは単なる記録ではなく、会社の業務を改善するための貴重な情報です。
しかし、必要な情報を取り出すために毎回複雑な操作が必要だったり、Excelでの加工が欠かせなかったりすると、その価値を十分に生かすことはできません。
私たちが目指したいのは、難しい操作を覚えなくても、誰もが必要な情報にたどり着ける仕組みです。
「データを集める仕事」から「データを使って考える仕事」へ。
その第一歩が、BIツールによる見える化だと考えています。
次回は、売上の数字だけを見ていては気づけない問題について、もう少し具体的に考えてみたいと思います。
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