品番×カラー×サイズ管理が複雑になる理由

品番×カラー×サイズ管理が複雑になる理由

インネット株式会社|アパレル業務改善ラボ

2026年8月25日 20:49

アパレルの商品管理では、単純に「この商品が何枚あるか」だけでは在庫を管理できません。

同じ品番の商品でも、

カラーが違う。
サイズが違う。

それぞれを別の在庫として管理する必要があります。

例えば、1つの品番に10カラー、5サイズあれば、それだけで50通りの組み合わせになります。

さらに実際のアパレルの現場では、S・M・Lといった単純なサイズ展開だけではありません。

今回は、私たちがアパレル企業のシステムに携わる中で感じてきた、「品番×カラー×サイズ管理」が複雑になる理由についてご紹介します。


目次

「サイズ」といってもS・M・Lだけではない

一般的にサイズというと、

S・M・L・LL

といったものを想像するかもしれません。

しかし、アパレル業界では商品によってサイズの考え方そのものが違います。

例えば学生服です。

ズボンであれば、ウエストと丈の組み合わせがあります。

さらに、体型によって

A体・AB体・B体

などの区分もあります。

商品によっては、ウエストと丈の組み合わせだけで100種類を超えるサイズ展開になることもあります。

これらをすべて正確に在庫管理しようとすると、

「この品番が100本ある」

という情報だけでは足りません。

どのサイズが何本あるのか。

そこまで分からなければ、実際に販売できる在庫は判断できないからです。


カラーが増えると管理はさらに複雑になる

サイズだけでなく、カラーにも同じことが言えます。

アパレルでは、一つの品番で多くのカラーを展開する商品があります。

カラー数が増えるほど、当然、

品番×カラー×サイズ

の組み合わせも増えていきます。

そして、実際のシステム運用では別の問題も出てきます。

それがカラー名称の長さです。

例えば、

「ブラック×イエロー」

「ダークエメラルドマイカ」

といった長い名称です。

システムの画面や帳票には、表示できる文字数に制限がある場合があります。

そのため、長いカラー名称を省略して登録しなければならないことがあります。

長年使っている担当者なら、省略された名称を見てもすぐに何色か分かります。

しかし、新しく担当になった人は、

「この省略名は何色なんだろう?」

となってしまいます。

システム上では正しく管理されていても、使う人がその表記に慣れるまで時間がかかることがあります。


古いシステムでは「カラー数の上限」が問題になることも

もう一つ、長く使われているシステムで起きることがあります。

例えば、ある帳票を作った当時は、

「カラーは最大20色まで表示できれば十分」

という前提で設計されていたとします。

ところが、その後の商品展開の変化によって20カラーを超える商品が出てくる。

すると、データ自体は登録できても、帳票には20カラーまでしか表示できないという問題が発生します。

20カラーを超える商品だけ別の帳票を用意するなど、個別の対応が必要になることもあります。

システムを作った当時には問題がなかった仕様でも、商品展開が変わることで制約になることがあるのです。


組み合わせが増えるほど入力間違いも起きやすい

色・サイズ管理で、実際によく起きるのが入力間違いです。

品番が同じでも、

カラーが違えば別の商品。
サイズが違えば別の商品。

として在庫を管理します。

色やサイズの組み合わせが増えれば、それだけ入力する人が選択を間違える可能性も高くなります。

特に100種類を超えるようなサイズ展開になると、人の目だけで正確に確認するのは簡単ではありません。

アパレルの商品管理では、

「品番が合っているから大丈夫」ではない

というところに難しさがあります。


サイズによって「原価」まで違う

品番×カラー×サイズ管理が重要なのは、在庫だけが理由ではありません。

企業によっては、サイズごとに原価が違います。

理由の一つが、生地の要尺です。

要尺とは、一着の商品を作るために必要になる生地の長さのことです。

サイズが大きくなれば、当然使用する生地の量も増えます。

そのため、同じ品番の商品でも、大きいサイズほど原価が高くなる場合があります。

また、使用する生地の単価によって、カラーごとに原価が異なるケースもあります。

私たちが携わっている企業では、特にサイズ別に原価を管理するケースが多くあります。


大きいサイズほど粗利が低くなることもある

ここで難しい問題があります。

サイズが大きくなって原価が高くなったからといって、

「大きいサイズだけ販売価格を高くする」

とは限りません。

同じ商品なら、サイズに関係なく同じ販売価格にしているケースがあります。

例えば、Mサイズと大きいサイズを同じ価格で販売していて、大きいサイズの方が原価が高ければ、当然大きいサイズの方が粗利は低くなります。

粗利とは、簡単に言えば、

販売価格から原価を引いた利益

です。

品番単位の原価だけで管理していると、こうしたサイズごとの利益の違いが見えにくくなります。

そのため、

サイズ別に原価を持ち、サイズごとの粗利を正確に把握する

ことが重要になります。

色・サイズ管理は、単なる在庫管理ではなく、利益を正確に把握するための管理でもあるのです。


正確に管理すると「売れ筋」が見えてくる

ここまで読むと、

「色・サイズ管理は面倒なもの」

という印象を持たれるかもしれません。

確かに管理は複雑になります。

しかし、きちんと管理することで得られるものもあります。

それが、販売実績の蓄積です。

品番だけで販売実績を見れば、

「この商品は1,000枚売れた」

ということしか分かりません。

しかし、色・サイズまで管理していれば、

どのカラーが売れたのか。
どのサイズが売れたのか。

まで分かります。

過去の販売履歴を確認すれば、

「この商品はこのサイズがよく売れる」

「このカラーは毎年動きがいい」

といった傾向が見えてきます。


在庫管理のデータが、次の商品企画につながる

売れ筋のサイズやカラーが分かれば、その情報を次の商品企画に活用できます。

例えば、

どのサイズを多めに生産するのか。
どのカラーを増やすのか。
逆に、どのカラーを減らすのか。

こうした判断を、過去の販売実績をもとに考えられるようになります。

つまり、

品番×カラー×サイズを正確に管理する

正確な在庫が分かる

サイズ別の原価・粗利が分かる

色・サイズ別の販売実績が蓄積される

次の商品企画に活かせる

という流れができます。


色・サイズ管理は「在庫を数えるため」だけではない

アパレルの商品管理では、色やサイズが増えるほど管理は複雑になります。

だからこそ、単に

「今、何枚あるのか」

を管理するだけではもったいないと思います。

正確にデータを蓄積していけば、

在庫管理
→ 粗利管理
→ 売れ筋分析
→ 次の商品企画

へとつなげることができます。

色・サイズ管理は、商品を正確に数えるためだけの仕組みではありません。

過去に何が売れたのかを知り、次に何を作るのかを考えるための情報でもある。

私たちは、そこまで活用して初めて、アパレル企業にとって価値のある商品データになると考えています。


インネット株式会社では、アパレル企業の現場で実際に起きている課題をもとに、販売管理・在庫管理・受発注・EC連携・業務自動化などについて発信しています。

次回は、**「売れているのに在庫が減らない? 売上と在庫がズレる原因」**について取り上げます。

URl:https://note.com/apparel_innet/n/ne73ede065809?app_launch=false

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